ドイツ、ノイトライン・ウェストファーレン州、ライン川の両岸に市街が広がるケルン。そのケルンメッセで、2016年4月7日(木)から10日(日)の4日間にわたって開催された世界最大のフィットネス・健康産業の展示会”FIBO”に行ってきました。
過去最大の盛り上がり
今年のFIBOでは、来場者数が前年の10%以上増え、過去最高記録を更新。一般の方も入場できるタイプの展示会でしたが、来場者153,000人のうち83,000人は業界関係者で、100カ国以上の国籍の人が一同に会しました。出展社が前年よりも30%以上多く集まり、960社にのぼったのに伴い、会場のスペースも増設されました。(合計160,000 m²、東京ドーム約3.5個分!) 報道陣も30カ国以上から集まり、1000人以上のジャーナリストがFIBOを中継し、その盛り上がりが連日報じられました。
この展示会の活気は、ヨーロッパのフィットネス・健康産業の盛り上がりをそのまま反映していると言えます。FIBOの発表によると、現在ヨーロッパには、5.1万以上のもフィットネスジムスタジオがあり、これは267億ユーロ(約3.5兆円)の経済活動にあたります。また、フィットネス会員数は5240万人に上るとされるのです。
トレンド① EMS
本年度のトレンドとして目立ったのは、まずEMS (Electric Muscle Stimulation) 。筋肉を電気刺激によって収縮させる運動器具で、日本でも一時はテレビショッピングによって大ブームになりました。「ただ着けているだけで筋トレ効果が!」というような宣伝文句が人気を集めている理由でしたが、ここで謳い文句だったのは、「トレーナーと一緒に、短時間で効果的にトレーニングを」。トレーナーを中心とした小規模のグループレッスンを盛り上げるツールとして提案されていました。ホール1つまるごとEMS関連商品が展示されており、FIBOによると実に6人に1人の業界関係者がEMS関連の投資を考えているとのことでした。
トレンド② ファンクショナルトレーニング
そして、もう一つのトレンドとしては、今年も相変わらずファンクショナルトレーニング、グループレッスンが手堅い人気を保っていました。これも、トレーナーを中心とした少人数のスタジオプラグラムを中心にしたブティック型ジムが増えているからだと思いますが、FIBOによると、7人に1人の業界関係者は20万ユーロ (約2450万円) 以上の投資を具体的に考えており、関係者の7%が100万ユーロ (約1億2250万円) 以上の投資を目的にFIBOを訪れていたとのことでした。
トレンド③ フィジーク
また、個人的に特に気になったのが、各サプリメントメーカーが広告にフィジークやナチュラルボディビルの選手を起用する動きが顕著になっているということ。欧米で好まれてきたモンスター級のボディビルディングではなく、よりエステティックなボディメイクが市民権を得て来ているということでしょう。女子ビキニ選手のショーも盛り上がってました。日本でもちょっと意味合いが違えど近年フィジークの人気に火が付いてきているので、健康的で美しい身体のイメージが世界的に共通になってきているのかもしれません。写真は人気のフィットネスモデルSimeon Panda (シメオン・パンダ) を起用した広告です。
ともかく、フィットな4日間でした。日本の最大級のスポーツ・健康産業総合展示会 “SOPRTEC” は、8月に開催されるので、こちらも今から楽しみです。
images via FIBO
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