Nutrition

脂質は本当に敵なのか?(その1) 


言わずとも知れた三大栄養素、「炭水化物(carbohydrate)」「脂質(fatty acids)」「タンパク質(protein)」。
このどれが欠けても減量、筋肥大、健康管理を効果的に行うことはできません。

炭水化物同様、脂質も分類することが出来ます(参考:炭水化物は敵じゃない)。
とにかく脂質を抜こう!と思う前に、まずは大切な栄養素である脂質をよく理解、より深く知るべきではないでしょうか。脂質が敵か味方か決めるのはそれからでも遅くありません。

 

脂質は大きく分けると「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」の2種類
脂質はおもに3種類の元素(水素H、酸素O、炭素C)からできていて、炭素と炭素の結びつきに「二重結合」があるかどうかで大きく二つに分類されます。
  • 二重結合なし=「飽和脂肪酸(saturated fatty acids)」、特徴:固まりやすい、バターやラードなどの動物性の脂質。
  • 二重結合あり=「不飽和脂肪酸(unsaturated fatty acids)」。特徴:サラサラで固まりにくい、魚類や植物油に多く含まれている脂質。

 

飽和&不飽和脂肪酸_Fotor

不飽和脂肪酸はさらに「シス型」と「トランス型」に分類される
不飽和脂肪酸は炭素の二重結合のまわりの構造の違いにより、さらに2つに分けられます。
  • 水素が炭素の二重結合をはさんで同じ側についている=「シス(cis、“同じ側の、こちら側に”)
  • 水素が炭素の二重結合をはさんでそれぞれ反対側についている=「トランス(trans、“横切って、彼方に”)
天然の不飽和脂肪酸のほとんどは、シス型です。これに対して、「トランス脂肪酸(trans-fatty acid、trans-unsaturated fatty acids、TFA)」は、主に食用油の生成過程で、炭素と水素の結びつきが変わってできたものです。

 

健康に悪影響を及ぼすトランス脂肪酸
トランス脂肪酸は、食品から摂る必要がないと考えられており、むしろ、とりすぎた場合の健康への悪影響が注目されています。
トランス脂肪酸の摂取量が多いと、血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が増えて、一方、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)が減ることとの報告があります。
また、日常的にトランス脂肪酸を多摂りすぎている場合には、少ない場合と比較して心臓病のリスクが高まることは、数多くの研究で明らかにされています。

 

トランス脂肪酸が多く含まれる食品
トランス脂肪酸は、天然の植物油にはほとんど含まれず、水素を付加して硬化した部分硬化油を製造する過程で発生するため、それを原料とするマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどに多く含まれるほか、これらを原料とするパン、ケーキ、ドーナツ、クッキーといった洋菓子類、スナック菓子、生クリームなどにも含有されています。

その2へつづく

 

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