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フィットネス英語解説:”hangry”


「空腹の」という意味の”hungry”と「怒った」という意味の”angry”を組み合わせてできた言葉です。

hangry explanation体型を気にして食事を抜き、空腹になることでイライラする若者が増えている中で生まれた言葉なのでしょう。先日あの格式高いオンライン英語辞典OxfirdDictionaries.comに、新単語として追加されたことが発表されたばかりの単語でもあります。

では、なぜ人は空腹になるとイライラするのか。そもそもなぜ空腹になるのか。その科学についてCNNの記事では次のように説明されています。

 

お腹が空く仕組み

摂取した炭水化物やたんぱく質、脂質は、消化されるとグルコースのような単糖類やアミノ酸、脂肪酸に変化します。これらが血液に乗って全身の臓器や筋肉などの組織に運ばれてエネルギー源として使われるのです。

食事をしてからしばらくたつと、血液中のこれらの栄養素の量は減っていきます。血中のグルコースの量(血糖値)があるレベルまで減ると、脳はそれを生命の危機と捉えます。他の臓器は様々な栄養素をエネルギー源にしますが、脳はグルコースのみ。つまり、グルコースの量が減ると、脳は正常に機能しなくなります。集中できなくなってミスを繰り返す、言葉にどもるようなことも。さらに、血糖値が下がると人付き合いでも影響が出てしまうことも。脳に十分なパワーがあれば自分の行動規範を守れますが、ないと誰かれかまわずかみついてしまうなんてことになりかねません。

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空腹が身体に与える影響

低血糖になると、脳は身体の様々な臓器に、血糖値を上げるためのホルモンを分泌するように指令を出します。主要なものは、脳下垂体から分泌される⑴成長ホルモン、膵臓からは分泌される⑵グルカゴン、そして副腎から分泌される⑶エピネフリンとも呼ばれるアドレナリンと⑷コルチゾールです。⑶と⑷はストレスホルモンの仲間で、身体的・精神的ストレスがかかったときに分泌されるのと同じものです。

特に⑶アドレナリンは、突然安全性が侵害された時に「戦うか逃げるか」の判断時に分泌されるものです。つまり、身体は、血糖値が下がった時、この「戦うか逃げるか」の状況と同じ反応をしていることになります。

生まれもったhangerの素質

空腹が怒りにつながるもう一つの要因は、それらが同じ遺伝子でコントロールされているというところにあります。この遺伝子は神経ペプチドYという物質を分泌される遺伝子です。この神経ペプチドは大食いなどの行動を引き起こす以外に、怒りや攻撃性を引き出します。実際に、この神経ペプチドYの濃度が高い脳脊髄液の持ち主は、怒りっぽい性格の持ち主です。

空腹と怒りがリンクするということは、動物として考えれば当たり前のことです。生き残るためには、他を攻撃して餌を得なければならないのです。

ただし、このような身体反応以外にも、精神的な理由で空腹が怒りを引き起こすことがあります。例えば、文化的に怒りを表現することが良しとされていたか否かなど。だから人によって空腹による怒りの度合いは異なるのです。

hangerとの付き合い方

keep-calm-and-dont-be-hangryhangryになる前に何か食べるのが一番です。ただし、スナック菓子やチョコレート、ジャンクフードは血糖値を一気に引き上げる代わりに短時間で落としてしまいす。結果よりhangryになってしまうので、血糖値がゆるやかに上昇し、長時間維持されるような、栄養満点の自然食を選ぶのがフィットです。

空腹がある程度続いたあと、空腹を感じなくなったという経験もあるかと思います。空腹が長時間続くと、血糖値を上げようとする身体の反応は落ち着き、グルコースの代わりに脂肪が分解されてできたケトンがエネルギー源として使用されるようになるからだと考えられています。

ただし、ここまで空腹を長続きさせての減量を行う場合には医師や専門家の指導を受けましょう。

ともかく、血糖値が下がると頭がまわらず難しい作業ができなくなるので「腹が減っては戦はできぬ」は正しいということですね。

 

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