2016年10月1日(土)、ドイツ、アルツドルフにて、BDBK主催全独ボディビルディング選手権が行われました。
BDBKは、以前に中村マリオ選手が参加したGNBFと並ぶドイツのナチュラルボディビルディング連盟です。GNBFはドイツ以南、BDBKドイツ以北の大会だとも言えます。
GNBFの全独ボディビルディング選手権が9月24日に行われたのに対し、BDBKは10月1日に開催。他団体への参加制限を求めない両団体なので、両方参加する選手も多くいました。
BDBKは全独選手権の目玉として、日本より参加する中村マリオ選手の参戦を大会前より公表。2015年GNBF主催国際ボディビル選手権で準優勝した中村選手のドイツにおける認知度の高さが伺えます。
BDBK主催全独ボディビルディング選手権クラス別で優勝した中村選手は、総合優勝とはならなかったものの、ポージング技術、中村選手独特のプロポーションは非常に高い評価という印象を残しました。
NABBAのドイツにおける後継団体、NACの会長デュルク氏は、中村選手のBDBKにおけるパーフォマンスを高く評価。「私が審査員であれば彼を総合優勝とした」と語りました。
審査員のメミック氏は「上半身のバルクでは中村選手は他を圧倒していた。ただし絞りが足らず総合優勝からは一歩遠ざかった」と総評しました。
中村選手にお話を伺いました:
—クラス別優勝おめでとうございます!
ありがとうございます。今回はMEN1:170cm以下、MEN2:175cm以下、MEN3:175cm以上というクラス分けでした。
計量では170cmを超えていたのですが、何故かMEN1クラスに割り振られました(笑)。
総評にもあったように絞りが甘かったので、優勝出来たのは運が良かったのもあるのではないかなと思います。
—減量はいかがでしたか?
例年よりは大分よくなりました。自分なりに毎年減量期にはテーマを設定するのですが、今年は「糖質」が自分の中でテーマとなっておりました。
やたら世間では糖質0(ゼロ)などと謳われるので、糖質は本当は大事で、ちゃんとタイミングと糖の種類を見極めればしっかりダイエット出来ることを証明したかったです。
—減量を終えていかがでしたか?
実体験をとして糖質の重要性は確信となりました。
しっかり炭水化物を摂取した後の方が、フォームが改善され、ダイエットがうまく行きました。むしろまだまだ糖質の摂取量が足りなかったというのが、コーチとも話した今回の反省となりました。
—ポージングが非常に高く評価されました。
ありがとうございます。ただし、私のポージング技術は「普通」です(笑)。いかに日本のボディビルのレベルが高いかということの現れだと思います。
—ドイツと日本で、ボディビルディングに違いは感じますか?
上述の通りポージングにもしっかり競技性を見いだしているのが日本。ドイツはかなりいい加減ですね。
また、日本はナチュラルボディービルディングに対して歴史的に非常に厳格に取り組んで来ているのでナチュラルボディビルディング世界先進国だと言えます。合戸孝二選手、田代誠選手、鈴木雅選手などナチュラルで世界において実績を残されていることがいい証明です。その点、ドイツではナチュラルボディビルディングは近年こそ盛上りを見せておりますが、まだ新しい概念です。
また、筋量よりも著しく全体のプロポーションのバランスを重宝する傾向があります。この選手が勝ったかな?と日本の感覚で拝観していると全然違う選手が勝ったりすることがよくあります。
全体的にボディビルディングのレベルは日本の方が高いとは思いますが、ドイツでは絞りの平均値が非常に高いです。絞りに対する追究心はものすごい尖っています。
—今後日本での大会参加は予定されていますか?
どちらの大会に参加するにしても、ボディビルダーとしてやることは変わりません。まだ未定です。
—今後の目標は?
・弱点部位の改善
・普段からの栄養摂取
・普段からのコンディンションニング
ボディビルダーとして当たり前のことを粛々と取り組んで参ります。
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