Nutrition

食物繊維と紙の違いは「紙一重」


最近ふとこんなことを思いました:「たんぱく質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラルに並ぶ第6の栄養素として、その摂取の必要性が叫ばれている『食物繊維』って、主に植物の細胞壁のことだよね。あれ、いわゆる『紙』もそうだよね?そういえば、ヤギは紙を食べるイメージあったし、人間も紙食べれば食物繊維とれるってこと??」

私のような疑問を持たれた方はいませんかね・・・?ともかく、真相を調べてみたのでご紹介します。

紙も食物繊維も「セルロース (cellulose)」

私たちがよく使う紙は、「パルプ」を主原料としています。パルプは、木材から余分な部分を取り除いて、「セルロース」だけにしたものです。セルロースとは、植物細胞の細胞壁および植物繊維の主成分で、天然の植物質の1/3を占め、地球上で最も多く存在する炭水化物です(wikipedia)。

そして、食用の代表的な不溶性食物繊維として挙げられるのも、「セルロース」です。あらゆる植物性食品に含まれる多糖類で、「繊維素」ともいいます。

つまり、私たちは、紙の原料となるセルロースを、普段の食生活の中で毎日食べていることになります。

混じり気のない和紙ならありかも・・・

ここまで聞くと、同じ成分なら、紙も食べてもいいのでは、と思ってしまいますが・・・言うまでもなく、「紙」は天然品でなく、まして食料目的ではありません。そして、今の主流である洋紙(いわゆるコピー用紙)は、字を書きやすく、印刷しやすくするなどのために、セルロース以外に薬品や填料・顔料などが混ぜてあり、これは食べると健康にはよくありません。ということで、やはり「紙」を食べて食物繊維を摂取しようという考えはNGですね。(最初から分かりきっていたかもしれませんが・・・)

どうしてもとうことだったら、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などの原料から作られた、手漉きの和紙なら、柔らかく、混ざりものも少ないので、食べれるかもしれませんが・・・セルロースは、多くの植物性食品、とくに全粒穀物、小麦ふすま、オーツ、大豆、きな粉、ごぼう、いも類、海藻類になど、精製、加工度合いが少ないものに豊富に含まれていますので、こちらを食べた方がいいですね!

ヤギは紙が好き?

では、なぜヤギは紙を食べるイメージがあるのか?ヤギは、ウシ科ヤギ属に属し、牛と同じように4つの胃を持つ草食性の反芻(はんすう)動物で、繊維質、つまりセルロースの多い植物を好んで食べます。草よりもむしろ樹葉・樹皮を好んで食べます。
このセルロースを栄養(ブドウ糖)とするためには、それを分解し、「消化」できなければなりませんが、セルロースを分解するのは、「セルラーゼ」という酵素。人間にはこの酵素がありませんが、ヤギにはあるのです!よって、ヤギは紙も食べれるということです。(ただし、人間にとって洋紙が体に毒なのと同様、ヤギにも健康には決してよくないので、あえて与えようとするのは間違っています!)

人間はセルロース(食物繊維)を分解できないできないのに、欠かせない。

人間は、セルロース(食物繊維)を分解できないため、逆に胃腸などの消化器に良い影響を与えていることが分かっています。そして、結果的に生活習慣病全般の予防に役立ちます。

食物繊維には以下の働きが確認されています。
・スムーズな消化を助ける
・便秘予防
・肥満予防
・動脈硬化の予防
・糖尿病予防
・大腸癌の予防
・脂質異常症予防
・体内にある悪い成分を追い出す効果

食物繊維の摂取量が多い人は、ビフィズス菌など腸内善玉菌が多くなり、有害なウエルシュ菌などが減少することも確認されていて、健康で長寿の方が多い地区は、ほぼ必ず食物繊維を沢山食べていることも分かっています。厚労省は1日19gの食物繊維を摂ることをすすめています。

積極的に食物繊維を摂って、フィットな食生活を心がけたいものですね!

Photo credit: Meg Stewart via Visualhunt / CC BY-SA

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