栄養学では、たびたび「良質なたんぱく質源」という単語が出てきますが、この言葉の定義には、「利用効率の高いアミノ酸で構成されたたんぱく質を含む食品」、「脂肪の少ないたんぱく質食品」、「たんぱく質以外の栄養価が高い食品」など様々です。ここでは、31年間にも渡るLucà-Moretti博士の研究によって、明らかになった「真に良質なたんぱく質」を定義する「アミノ酸パターン」についてご紹介いたします。
たんぱく質は、20種類のアミノ酸で構成され、色々な配列で繋がったり折りたたまれたりしてできています。さらに、この20種類の中には、人体で必要量を合成できない、つまり外から摂取しなくてはならないアミノ酸「必須アミノ酸」が、8種類あります。これらの必須アミノ酸が十分含まれているかどうか、そしてそれを摂取する側にとって最適な比率で含まれているかどうかで、良質なたんぱく質であるか、そうでないかが決まるのです。この比率(アミノ酸パターン)が適していないと、せっかく摂取したアミノ酸は体内で細胞質に組み込まれることなく、無駄になってしまいます。Lucà-Moretti博士は31年間にも渡る研究によって、各有機生命体の最高のたんぱく質合成を引き出すためには、それぞれに最も適したアミノ酸パターン(マスターパターン)が存在する事を発見したのです。
窒素利用率でわかるたんぱく質の「質」
アミノ酸の化学式をみると、すべてアミノ基を持っています。この中にはN(窒素)が含まれているのがわかります。アミノ酸(たんぱく質)は。実は唯一の窒素源であるのです。そして、この窒素がいかに吸収されたか(NNU, Net Nintrogen Utilization) をみる事で、そのたんぱく質が効率よく利用され、タンパク質合成が促進されたのか、つまり、良質だったのかが確認できます。
代表的なたんぱく質含有食品のNNU(窒素利用率)を比較したものが下記です:
*出典:INRC研究データより改編
どの食品でも無駄になる窒素が50%以上あります。たんぱく質で胃腸に不調をきたす場合には、この余った窒素が原因となっています。
“MAP” という「たんぱく質摂取革命」
上記の通り、現状もっとも良質なたんぱく質源である卵でも、NNUは48%ですが、なんと、フロリダのINRC (International Nutrition Research Center) において、NNUが99%となるたんぱく質MAP (Master Amino Acid Pattern) が研究開発されました!
MAPでは、99%のアミノ酸が身体のタンパク質合成に利用され、無駄になるのはたった1%。しかも、カロリーもほとんどなく、摂取から23分後には血液に供給されます。
- 高齢者、妊娠中の方、成長期のお子様
- ベジタリアンスタイルで生活されている方
- ダイエット中の方
- 筋肉強化を目的とされている方
に、たんぱく質摂取のキーアイテムとして、フィットしますすね!
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