加圧トレーニングといえば、腕や足にバンドを巻いて血流を制限することによって効果的に筋力増進を図るトレーニング方法。聞いたことがあるし、興味もあるが、専任のトレーナーの指導の元で行う必要がある、価格が高い、中々予約が取れない・・・などの理由からトライできていない方も多いのでは？６月３０日の今日発表された、Gold’s GymがKAATSU事業に参画するというニュースは、そんな悩みを吹っ飛ばしてくれる朗報だ。この日はGold’s Gymの５０周年にあたる記念すべき日でもあり、フィットネス業界の輝かしい未来が垣間見えた。
そもそも加圧トレーニングとは？
1966年にボディビルダーだったKAATSU GLOBAL会長の佐藤義昭先生が発明し、以来約５０年の歳月をかけて確立されてきた独自のトレーニング方法。法事で長時間正座をした後の足が、激しいトレーニングをした後の状態に似ていたことからヒントを得たという。腕や足に付け根に専用の加圧ベルトを装着した状態で、適切に血流制限しながら、加圧・除圧を繰り返す、または加圧した状態で目的にあったエクササイズを行うことによって、短時間・短期間・超軽量負荷でトレーニング効果が得られる。
日本で生まれたトレーニング方法だが、特に海外で広く受け入られており、「KAATSU」という新しい英単語が誕生しているほど。
gold’s gymが使用するのはKAATSU CYCLE
これは安全かつ効果的にKAATSUを行うために、発明者の佐藤義昭先生によって定義されたプログラム（Dr. Sato’s Method KAATSU Protocol）を行うデバイス。スマホを少し厚くしたくらいの小さな本体から、エアチューブを通じて腕や足の付け根に装着したバンドに空気が送られ、ユーザーのレベルに合わせた、段階的な加圧除圧のプログラムを自動で繰り返してくれる。ユーザーにはIDが付与されるので、トレーニング履歴を記録することもできる。このデバイスは日本の厚生労働省にあたるFDA(Food and Drug Administration、アメリカ食品医薬品局)に医療機器の認可を受けおり、安全性はお墨付き。gold’s gymではこのデバイスを用いたグループレッスンを行う。
世界で注目されているKAATSU CYCLE
安全性が高く、年齢や体力、場所を選ばずに誰もが採用できるKAATSU CYCLEは、世界的にオリンピック選手やプロスポーツ選手がトレーニングとして採用している他にも、アメリカで医療費償還制度に認定*されるなど、医療の分野でリハビリテーションとして注目が集まっている（心臓・循環器系疾患や整形外科的疾患の患者に対して）。バンクーバーオリンピックのスキージャンプ団体で銀メダルを獲得したアメリカのトッド・ロドウィック（Todd Lodwick）選手は、ソチオリンピック１ヶ月前の練習で全治６ヶ月の大怪我をおうも、KAATSUによるリハビリで回復、ソチでは旗手を務め、個人で記録を出しているほど。
NASAでも研究対象となっており、まだまだ拡がる余地がありそうだ。
gold’s gymで展開される女性専用KAATSU WELLNESS SALON
日本のGold’s Gymでは、まずはジム内に専用エリアを設けて、女性を対象に、女性インストラクターによるグループレンスンプログラムを提供する計画だ。本年秋から冬ごろの新店舗オープンのタイミングでの導入となる予定。女性は重い負荷でのトレーニングが苦手なことが多いが、KAATSUなら軽い負荷で効果的に筋肉量が増やせて太りにくい体質になれ、成長ホルモンが大量に分泌されることによる美肌効果や、血行が促進されて冷え性が改善することなどが期待できる(詳しくはこちら）。まずは女性にフィットネスを楽しんでもらうことが目的だ。その後プログラムを応用した形で男性や高齢者、子供など対象範囲を広げていく方針。
KAATSUのことを知ってフィットネスライフを楽しむ、元気な日本人が多い、キラキラした日本の姿が想像できた。そんな日本にしたいというKAATSU GLOBALの佐藤義昭先生やスティーブン氏、Gold’s Gymのポール氏、手塚氏の熱意が伝わる素晴らしい会見だった。自分も早くこのデバイスを用いたレッスンに参加したいという気持ちでいっぱいだ。
*Dr.Sato’s Method KAATSU ProtocolとKAATSU GLOBAL社のCertification Program(資格認定)、同社のデバイスを使用すること、この３つのを満たすことが制度適用の条件
No Comments