Nutrition

【連載】スポーツと栄養 ーPart 1炭水化物(糖質)ー


運動やスポーツのみならず、日常の動作や生命を維持するための基本的な活動など、あらゆる活動のエネルギーは、主に3種の栄養素が元となっていますー炭水化物、脂質、そしてたんぱく質です。これらが「3大栄養素」であり、身体に比較的大量に必要とされるため、「多量栄養素(macronutrients)」とも呼ばれています。炭水化物は、「糖質」と「食物繊維」の合計で表されますが、エネルギーの元となるのは消化できる糖質の方なので、以下では糖質と記載します。それぞれ体の中で1gあたり、糖質4kcal、脂質9kcal、たんぱく質4kcalのエネルギーになります*が、中でも糖質は運動エネルギー、車で言う所のガソリンとして重要な役割を担っています。

*食品によって、これらの数値は若干変わります

短時間の高負荷の運動(サイクリングなど)では、瞬時にエネルギーに変換される栄養素が必要となりますが、それができるのは糖質のみ。運動し始めた最初の5分の間、エネルギーとして消費されるのは糖質だけです。

負荷が高く長時間続くような運動では脂肪が燃焼されますが、このときも糖質が火付け役となります。さらに、中枢神経系の活動エネルギーとなるのも糖質です。例えば脳は、主にグルコース(糖質が代謝されてできるブドウ糖)をエネルギー源とします。運動し始めてから最後まで、一貫して高いレベルで成果を出せるかどうかは、身体の中にしっかりと糖質が貯蓄してあるかにかかっていると言っても過言ではありません。持続力を発揮するにも必要な栄養素なのです。

個人の体格、トレーニング強度や時間によって摂取すべき糖質の量は変わり、国際的なガイドラインがあります。糖質の体内での存在量は意外に少なく、血液中のブドウ糖のほか、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして少量を貯蔵しているだけなので、常に食事から摂取することが必要となります。さらに、枯渇したグリコーゲンを回復するには半日以上かかると言われています。筋肉グリコーゲンが枯渇した状態で運動をすると、筋肉など体内のたんぱく質が分解され、筋肉量が減ってしまい、パフォーマンスにはマイナスとなります。

運動・スポーツの成果を上げ、引き締まった身体を作るためにも、糖質はしっかりと摂りましょう!

糖質にも様々な種類がありますので、状況において使い分ける必要が有ります。

  • 単糖類(Monosaccharides):果実含まれる糖分である果糖(フラクトース fructoseや血糖として血液内でも存在し、そのままエネルギー源となるブドウ糖(グルコース glucoseが代表格です。
  • 二糖類(Disaccharides):ブドウ糖や果糖などの単糖類が二つ結合したもので、水飴の主成分マルトース(Maltose 麦芽糖)、いわゆる砂糖を指すスクロース(Sucrose ショ糖)、牛乳に含まれ、お腹がゴロゴロする原因となるラクトース(Lactose 乳糖)などがあります。 

単糖類も二糖類を合わせて「糖類」と呼びます。いずれもすばやく身体に吸収され、即効的なエネルギーの源となります。

  • オリゴ糖(0ligosaccharide):一般的に単糖が3個以上結びついたものをオリゴ糖といいます。腸まで届いてビフィズス菌などの善玉菌が食べるため、体内でほとんど消化吸収されません。砂糖とくらべて甘味は薄く、食べすぎるとお腹が緩くなります。
  • 多糖類(Polysaccharides):単糖類(ブドウ糖など)が10個以上結合したものを指す総称で、筋肉や肝臓に蓄えられているグリコーゲン(Glycogen)でんぷん(Starch)などに代表されます。

単糖類よりも消化されるのに時間がかかるので、少しずつ時間をかけてエネルギー源になっていきます

消化できない炭水化物である食物繊維(Dietary Fiber)については、運動能力と直接の関係はありませんが、腸の環境を整えるのに不可欠な栄養素です。上記糖質の吸収を抑える、または穏やかにする効果や、排便を増やして便秘を防ぐ効果、腸内環境を整えることによって免疫機能を高めるなどの効果があります。意識的に摂らないと不足しがちになります。

連載のPart5では、これら糖質(炭水化物)の食べ分けや運動前後の食事メニューについて詳しく解説したいと思います。

 


【連載】スポーツと栄養

導入

Part 2(2018/2/12配信)
脂肪… なぜ必要なのか、その種類は

Part 3(2018/2/19配信)
たんぱく質… スポーツする際に必要な量は?

Part 4(2018/2/26配信)
ビタミンとミネラル… 運動量に伴い摂取量を増やすべきか?

Part 5(2018/3/5配信)
運動前後の食事法

Part 6(2018/3/12配信)
水分の摂取の仕方

出典:Sport Fitness Advisor

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