Nutrition

【連載】スポーツと栄養 ーPart3 たんぱく質ー


スポーツでは競技に合わせて身体づくりを行いますが、トレーニングとともに必須となるのがたんぱく質を十分に摂取するということです。たんぱく質は筋肉だけでなく、皮膚や髪、爪や骨、腱、靭帯の修復や成長にも必要です。 たんぱく質はさらには、身体の生理機能をつかさどる様々な酵素を構成したり、身体の免疫機能や神経伝達にも関係します。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015」によれば、1日あたりに必要とされるたんぱく質量は成人男性で50g、成人女性で40gと定義されています。可能であれば成人男性は60g、成人女性は50g摂ることが推奨されています。

ただし、運動している人の体はそれでは不十分です。自身の体重に合わせて計算することでより詳細な必要量を知ることができます。

運動内容・強度 体重1kgあたり必要なタンパク質量(g)
スポーツ愛好者(週4~5日、30分程度) 0.8~1.1
筋力トレーニング(維持期) 1.2~1.4
筋力トレーニング(増強期) 1.6~1.7
持久性トレーニング 1.2~1.4
断続的な高強度トレーニング 1.4~1.7

出典:樋口満 著編, コンディショニングのスポーツ栄養学 新版, 市村出版, 2007, p63

アスリートは体重あたり 最大2.0g のたんぱく質摂取する必要があるとする研究報告もあります。たんぱく質の過剰摂取で健康を損なってしまったという十分な研究結果はありませんが、これ以上摂取しても効果はない、余分なたんぱく質は体脂肪になってしまうという説が有力です。

なお、体内で一度に処理できるたんぱく質量にも限界があります。食事は「朝昼晩、1日3回しっかりと!」というのは正しいのです。ただ、1/3の量というと男性なら20g程度ですが、これは鶏ささみ肉87g(2本程度)、豆腐1丁分以上に相当します。3食で達成するのは難しいので、間食でもたんぱく質の多いものを摂取するといいでしょう。

たんぱく質は20種のアミノ酸が鎖状に繋がっているものですが、うち9種は体内で合成できない必須アミノ酸。それらを多く含む良質なたんぱく質源となる食品で代表的なのは、卵、赤身肉、本マグロ赤身、生乳など。豚肉やチーズなどは脂身が多く、いわゆる「たんぱく質源」としては不向きです。

体重を減らすための食事法として「高たんぱく・低糖質」がブームとなっていますが、体重が減らせるかどうかはさておき、スポーツ選手にとっては必ずしもこの食事法がベストではありません。確かにたんぱく質もエネルギー源として使われますが、それは運動しはじめてから45分経ってからと言われています。そしてその際には筋肉となったたんぱく質が分解されてしまいます。分解される分多めに摂取しておけばいいというわけでもありません。体内に十分な糖質がないと、適切なたんぱく質の代謝・生成は起こらないのです。

プロテインの最適な摂取タイミングは目的によっても若干異なりますが、筋肉量・筋力アップを目指すなら運動後30分以内。体が傷ついた筋組織を修復するべく栄養素を必要として、吸収が高まるタイミングとされています。さらに効果的にカラダ作りを行いたい場合には、食事の間隔が空いてしまうところ(昼食~夕食など)で間食としてを摂ると、血中のアミノ酸を保ちやすくなります。体の材料となるアミノ酸が常時供給されることで、休息している間も体の回復が促されやすくなります。また、エネルギー切れを起こすことも少なくなり、空腹感の改善にもつながります。さらに、成長ホルモンが分泌され、体の中で修復と回復が行われるのは睡眠中なので、疲労を取り、体の栄養バランスを整えるためには、就寝前に摂っておくのも効果的です。

ただし、タイミングはそんなに気にしなくて問題ありません。「効果的」といっても違いはわずかだからです。もっとも重要なのは1日に必要な量をきちんと摂取できているか。まずは不足させないようにしましょう。

※本文では、栄養学分野では平仮名の「たんぱく質」、生物学では片仮名の「タンパク質」が使われるという傾向にならって記述しています


Part 1 
炭水化物(糖質)… 成果を発揮するための燃料

Part 2
脂質… なぜ必要なのか、その種類は

Part 4(2018/2/26配信)
ビタミンとミネラル… 運動量に伴い摂取量を増やすべきか?

Part 5(2018/3/5配信)
運動前後の食事法

Part 6(2018/3/12配信)
水分の摂取の仕方

出典:Sport Fitness Advisor

 

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