湿度が高く、気温が高いところで90分も高度な運動をすれば、2-3リットルもの水分が失われるとされています。同時に体重は2-3kgも減ることがあります。運動時には水分補給を意図的に行わなと脱水がすすみ、運動能力や体温調節機能は低下、さらには熱中症になるリスクがあります。
あくまでも一般的な目安ですが、日本体育協会では運動時の水分補給量として、運動前にコップ1~2杯 (250~500ml)の水分を補給し、持続時間が1 時間以内の場合は500~1000ml、1~3時間の 運動では1時間あたりにつき500~1000ml、3 時間以上続く運動では1時間あたりにつき塩分の入った500~1000mlの水分を補給すること を推奨しています。運動時に自由に水のみを摂取していると、体内の水分量とナトリウム 量が低下して低ナトリウム血症を引き起こしやす くなるからです。
運動時には糖質を含むドリンクを摂取した ほうが、水のみを摂取したときよりも疲労困憊の発現を遅らせることができることが明らかとなっています。運動強度や運動時間、環境条件等によって、補給するドリンクの内容を使い分けるといいでしょう。
運動前・運動中の水分
運動前・運動中に糖質を含むドリンクを飲むことで、エネルギーを確保し、血糖値を安定させ、疲れにくく、また集中力を持続させるという効果があります。ただし、糖質の濃度が高くなると水分の吸収が疎外されます。 つまり、 糖質が10%前後含まれている一般的なコーラや、カフェの甘いドリンクドリンクは、運動前・運動中の水分補給には適していません。ことが分かる。対して、一般に市販されているスポーツドリンクの多くは、水分の吸収が速やかに行われる 糖分濃度である3~6%前後に調整されており、少量の塩分も含んでいます。
ただし、ペットボトル1本(500ml)あたり30gも の糖分となるので、過剰摂取にならないよう、水分の補給を優先させるか、エネルギー補給が必要かを考えます。暑い日に試合や トレーニングを行う場合、あるいは湿度の高 い室内で行う場合などには水分補給を優先さ せ、糖質濃度を少し薄めにした飲みやすいドリンクを選択します。比較的軽めの運動を長時間、涼しい日に行う場合など、 発汗による水分損失は少ないと考えられるときは、エネルギー補給ができるよう糖質量がやや多めのドリンクを選びます。
運動後の水分
運動後の回復は次回の運動に向けての準備の一部であり、汗として失われた水分の補給はこのプロセスの重要な部分です。練習あるいは試合で 失われた体重の 1 kg に対して、約 1.2~1.5 リットルの水と、汗として流れ出た塩分、さらには枯渇したグリコーゲンを補う必要があります。塩分は食事に十分含まれていますが、水分と同時に食品を摂らない 場合は、塩分も糖質も含んだスポーツドリンクが効果的です。
Part 1
炭水化物(糖質)… 成果を発揮するための燃料
Part 2
脂質… なぜ必要なのか、その種類は
Part 3
たんぱく質… スポーツする際に必要な量は?
Part 4
ビタミンとミネラル… 運動量に伴い摂取量を増やすべきか?
Part 5
運動前後の食事法
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